yohei

記事一覧(9)

1年間の総括と、畑の引っ越しについて

コリアンダーシードの作り方、使い方

昨年初冬に種をまいたコリアンダー(パクチーともいう)が、およそ3シーズンを経て種になったので、収穫した。はて、コリアンダーは葉を収穫するんでは?と思った方も多いだろう。実はコリアンダー、葉だけじゃなく種も食用に適している。しかも、これがまた美味いときた。✽コリアンダーの葉と言えば、タイ料理にモサッと盛られている印象が強いが、実は、アジアや南欧、南米など世界中の至るところで料理に使われている。その強烈かつ独特な臭みに、ある人は虜になり、ある人は拒否反応を示す。とても好き嫌いの強い野菜だ。(ちなみに僕の配偶者は嫌いだと言っている。長い間海外にいたくせに。)数年前までは、日本の食卓にさっぱり浸透しておらず、タイの食材の専門店に行かねば手に入らないほどだったらしい。しかし最近では、近年のエスニックブームの影響で、スーパーなどでも見かけるようになった。良い時代になった。余談だが、コリアンダーの香りを構成する成分の一つであるノナナールには、蚊を集めるという謎の性質がある。食べたからといって蚊が集まってくる訳ではないのだが、いい気分はしない。✽さて、種の話に入る。コリアンダーの葉は、前述のように強烈かつ独特な臭みを持つ。ならば当然、種も当然同じような癖を持つと思うだろう。ところが、不思議なことに、種にあの尖った臭みはない。むしろ感じるのは、「柑橘系のよう」と評されるほどの、抜けるような清涼感だ。臭みがないので、葉が苦手な人でも種は問題なく食べられる(僕の配偶者は、「おいしい!かも!」というよく分からないが前向きなリアクションをくれた)。種の用途は広い。臭みがないためどんなものにも合う。料理に入れればアクセントがつき、味が引き締まるし、ビールに入れれば清涼感が加えられ、島国にいるような気分を感じる。意外なところだと、ヨーグルトに入れても良い。びっくりするほど合う。それだけでなく、効能も優れている。熱中症の予防や、胃腸を整える効果がある。インドでは、猛暑を乗り切るために、種を水に一晩浸したものを飲む習慣があるとかないとか。あまり褒め過ぎるとつけあがるのが怖いが、かといって欠点らしい欠点も見当たらない。種なので長期保存も出来るし、まさに万能な「キッチンのおとも」であると言えよう(結局褒めた)。✽庭やベランダなどでコリアンダーを育てている方は、「そんなに良いなら我が家のコリアンダーからも種を収穫してみたい、でもその方法が分からない」と思ったかもしれない。ご安心いただきたい。採種までのステップは決して難儀な道ではない。◯春か秋に種をまく(秋まきの方が長く葉を楽しめる)。◯あったかくなると上に伸びてくるので、葉を摘み取りながら成長を見守る。◯花が咲く。その後に実がなる。実が茶色に熟したら茎ごと刈り取り、数日干して乾燥させる。以上、たったの3ステップ。詳しい栽培方法は他のサイトいくらでも書かれているので割愛するが、時間はかかるものの手間はあまりかからないので、ぜひ挑戦していただきたい。今年の秋も、コリアンダーを植えよう。

あなたは種から派?苗から派?夏野菜の準備にとりかかる。

こんにちは、夫のほうです。最近雨が多い。今の時期は夏野菜の準備期間に当たるため、土を耕したり畝を作ったり色んな作業をしなければならない。しかしこれがなかなか進まない。週末のたびに雨が降るからだ。そうやって足踏みしている間に、今度は雑草がぐんぐん伸びてくる。春の柔らかい陽射しを浴びてぐんぐんと。雑草が伸びた状態では土を耕せない。だからまず草を刈る作業が必要になる。やっと草を刈ったらまた雨。雑草が伸びる。無限ループだ。晴耕雨読なんて理想論、そんな簡単に実現させないぞという天候の強い意思を感じる。雨読、雨読。*とはいえただ足踏みしているだけではない。並行してもうひとつの重要な仕事に取り組んでいる。夏野菜の苗づくりだ。野菜作りを始めるにあたっては「種から育てる」「苗を買う」のどちらかを選ぶことになる。一般的にアマチュアは苗を買うべきと言われるが、個人的には種から育てる方法をおすすめしたい。農業の世界には「苗半作」という言葉がある。健康で丈夫な苗を作れたら半分は成功したようなもんだ、という意味だ。それほど、苗の状態によって収穫量も質も大きく変わってくる。ただし、苗づくりは難しい。天候や環境に大きく影響を受ける。栄養を吸収する力が弱いし、病気や害虫への抵抗力もない。そのため育てるのがとても難しいし、必然的に手間もかかる。このあたりは人間と同じだ。人間も赤ちゃんから成人するまではめちゃくちゃ手がかかる。そのため、プロの育てた苗を買うと難易度が格段に下がる。成人した苗なら放っておいても育つし身体も強いから病気になりにくい。実際、僕が昨年苗を買って育てたナスやオクラは、ほぼ何もしなくてもたくさんの実をつけてくれた。しかし、苗を買うことも良し悪しだ。まずお金がかかる。肌感覚だが、種から育てる場合の10倍以上の出費を覚悟しなければならない。誰かが一生懸命育てたものだから当たり前なのだが、日々コスト削減に励む零細農家はここに出費を割けないのが本音だ。それから、選べる種類が少ない。苗作りの業者(という人たちがいます)は需要の大きな苗をまとめてたくさん作りたい。苗作りだって製造業なのだ。必然的に、需要のある=一般的な種類の苗ばかり市場に並ぶことになる。珍しい野菜の苗はひどく手に入りづらいし、あったとしてもめちゃくちゃ高い。その反面、種から育てる場合はコストがかからず、選択肢も格段に増える。そして何より、やれることは極力自分でやってみる方が、学びや気づきがあって面白い。生涯学習はこれからの人類のテーマである。ただしそもそも日当たりが悪いとか、スペースがないなどの事情は当然ありえる。当たり前だがその場合は苗を買うべきだ。柔軟に楽しんでもらいたい。*そんなわけで僕は種から育てることに挑戦している。嬉しいことに、種まきから2週間弱、ちらほらと芽が出始めている。

健康で滋味のある娯楽を!ぬか漬けワークショップを開催しました。

こんにちは、夫のほうです。いきなりですが、「二十四節気(にじゅうしせっき)」ってごぞんじですか?昔の人は、1年を24等分して、それぞれにの区切りに名前をつけていました。それが二十四節気。「立春」とか「秋分」とかも実はそのひとつです。その二十四節気では、今年の3月5日は「啓蟄(けいちつ)」という日にあたります。啓蟄とは、「大地があたたまり、冬眠をしていた虫が出てくる頃」という意味です。最近暖かい日が増え、「ようやく春きたわー」と思っている人も多いでしょう。どうやら昔の人もおんなじことを思ってたようですよ。嬉しいですね。ちなみに我が家のなつめ(猫)とやさぶろう(猫)も、リビングでだらしなく身体を伸ばし「ようやく春きたわーむにゃむにゃ」とおっしゃっています(我が家では猫がヒエラルキーの頂点にいるため尊敬語を使っています)。開催しましたさて、そんな3月5日。我々も冬ごもりを終え、もぞもぞと布団から這い出て、ぬか漬けワークショップを開催しました。昨今にわかに注目を浴びているぬか漬けですが、「興味はあるけど、毎日混ぜなきゃいけなくて大変なんでしょ?」「ちょっと放置したらすぐに腐っちゃうんでしょ?」「私たち忙しい現代人には無理だわ」巷ではそんな声が聞こえてきます。でも、実は、あるポイントをおさえるだけで、ぬか漬けはめちゃくちゃ簡単になります。ぬか漬けの仕組みは、まんま「微生物(菌)の発酵」です。だから、菌のことを知る。これだけでぬか漬けが簡単なものになります。毎日混ぜる必要もないし、ダメにすることもない。「菌を制するものは、ぬか漬けを制す」です。菌を知るというわけで、まずはみっちり菌について学んでいただきました。