コリアンダーシードの作り方、使い方

昨年初冬に種をまいたコリアンダー(パクチーともいう)が、およそ3シーズンを経て種になったので、収穫した。


はて、コリアンダーは葉を収穫するんでは?と思った方も多いだろう。実はコリアンダー、葉だけじゃなく種も食用に適している。


しかも、これがまた美味いときた。




コリアンダーの葉と言えば、タイ料理にモサッと盛られている印象が強いが、実は、アジアや南欧、南米など世界中の至るところで料理に使われている。


その強烈かつ独特な臭みに、ある人は虜になり、ある人は拒否反応を示す。とても好き嫌いの強い野菜だ。(ちなみに僕の配偶者は嫌いだと言っている。長い間海外にいたくせに。)


数年前までは、日本の食卓にさっぱり浸透しておらず、タイの食材の専門店に行かねば手に入らないほどだったらしい。しかし最近では、近年のエスニックブームの影響で、スーパーなどでも見かけるようになった。良い時代になった。


余談だが、コリアンダーの香りを構成する成分の一つであるノナナールには、蚊を集めるという謎の性質がある。食べたからといって蚊が集まってくる訳ではないのだが、いい気分はしない。



さて、種の話に入る。


コリアンダーの葉は、前述のように強烈かつ独特な臭みを持つ。ならば当然、種も当然同じような癖を持つと思うだろう。


ところが、不思議なことに、種にあの尖った臭みはない。むしろ感じるのは、「柑橘系のよう」と評されるほどの、抜けるような清涼感だ。臭みがないので、葉が苦手な人でも種は問題なく食べられる(僕の配偶者は、「おいしい!かも!」というよく分からないが前向きなリアクションをくれた)。


種の用途は広い。臭みがないためどんなものにも合う。料理に入れればアクセントがつき、味が引き締まるし、ビールに入れれば清涼感が加えられ、島国にいるような気分を感じる。意外なところだと、ヨーグルトに入れても良い。びっくりするほど合う。


それだけでなく、効能も優れている。熱中症の予防や、胃腸を整える効果がある。インドでは、猛暑を乗り切るために、種を水に一晩浸したものを飲む習慣があるとかないとか。


あまり褒め過ぎるとつけあがるのが怖いが、かといって欠点らしい欠点も見当たらない。種なので長期保存も出来るし、まさに万能な「キッチンのおとも」であると言えよう(結局褒めた)。



庭やベランダなどでコリアンダーを育てている方は、「そんなに良いなら我が家のコリアンダーからも種を収穫してみたい、でもその方法が分からない」と思ったかもしれない。


ご安心いただきたい。採種までのステップは決して難儀な道ではない。


◯春か秋に種をまく(秋まきの方が長く葉を楽しめる)。

◯あったかくなると上に伸びてくるので、葉を摘み取りながら成長を見守る。

◯花が咲く。その後に実がなる。実が茶色に熟したら茎ごと刈り取り、数日干して乾燥させる。


以上、たったの3ステップ。詳しい栽培方法は他のサイトいくらでも書かれているので割愛するが、時間はかかるものの手間はあまりかからないので、ぜひ挑戦していただきたい。


今年の秋も、コリアンダーを植えよう。


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